溶接ヒューム


溶接ヒュームの濃度測定を依頼するには?


測定できる機関とは?

溶接ヒュームの濃度測定は、作業環境測定ではなく、個人ばく露濃度の測定となります。法的に「作業環境測定」ではないため、作業環境測定機関以外でも測定は可能となりますが、個人ばく露濃度測定について十分な知識・経験を有する者により実施が推奨されています。
各都道府県の労働局ホームページや(公社)作業環境測定協会ホームページより、作業環境測定機関を検索できます。なお、測定対象がマンガンのため、作業環境測定機関として(金属類の分析ができる)第4号登録されている機関にご相談ください



測定依頼を相談するには?

業種によっては、金属アーク溶接等作業が異なりますので、ご相談する前に次の点について情報収集をお願いします。溶接ヒュームの濃度測定を計画する情報となります。

  • 溶接作業場所の大きさや配置(建屋のどのあたり)、天井の高さ、換気装置の有無。
  • 溶接作業の内容、頻度、従事する作業者とその人数。同時に作業する人数。
  • 溶接資材のSDS(最新のもの)、使用する部材など。
  • 使用している呼吸用保護具の型式、区分。


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
屋外作業場向け屋内作業場向け

溶接ヒュームの規制にどう対応すればいいの?


今回の改正法は、令和3年4月1日に施行されます。

ただし、令和4年3月31日までの1年間は経過措置として猶予期間が設けられています。この期間に次の準備が望まれます。

  • 金属アーク溶接等作業に係る「作業主任者の選任」の検討

  • 使用する溶接材料や母材について、SDS等の情報収集

  • 屋内作業場での金属アーク溶接等作業に「従事する労働者の把握」

  • 換気設備、呼吸用保護具の確認・整備

  • 屋内作業場が水洗等で掃除できる構造であるかの確認

  • 医療機関に対し、令和3年度以降の金属アーク溶接等作業に係る業務に従事する労働者への健康診断について相談

  • 作業環境測定機関に対し、令和3年度以降に必要となる溶接ヒューム濃度の測定についての相談
    ⇒ 弊社では、溶接ヒューム濃度の測定に対応できるように準備を進めています。


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
屋外作業場向け屋内作業場向け

「溶接ヒューム」は人体に有害なの?


溶接ヒュームのばく露による有害性については、含有するマンガンによる神経機能障害が多数報告されています。

また、肺がんのリスクもあることから、国際がん研究機構(IARC)は、2017年に溶接ヒュームをグループ1(ヒトに対する発がん性)に分類しました。
こうした背景により、溶接ヒュームが「特定化学物質(管理第2類物質)」に位置付けられました。


令和元年度 化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 報告書全文、概要の2種類PDFあります。
令和元年度 化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 報告書(概要)
令和元年度 化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会 報告書(全文)


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
屋外作業場向け屋内作業場向け

「溶接ヒューム」に該当するものは?


金属をアーク溶接する作業、アークを用いた金属の溶断作業やガウジングする作業で発生するヒュームが対象となります。
これらの作業を「金属アーク溶接等作業」と呼びます。

アーク溶接にはTIG(ティグ)溶接やプラズマ溶接などが含まれます。
これらはアークを用いることで金属蒸気が激しく発生するため対象となります。
なお、ガス溶接は金属の酸化による燃焼熱を用いて溶接を行うため、著しい金属蒸気の発生がないため、対象外となります。

また、レーザー溶接についても、アークを用いないため、金属アーク溶接等作業に含まれません。


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
屋外作業場向け屋内作業場向け

「金属アーク溶接等作業」について、何を管理するの?


溶接ヒュームばく露防止措置としては、次の事項が示されています。

  1. 全体換気装置による換気の実施またはこれと同等以上の措置を講じること。

  2. 継続して行う屋内作業場について、金属アーク溶接等を新たに採用する、または変更する場合、個人サンプリングにより空気中の溶接ヒューム濃度の測定を行うこと。

  3. 溶接ヒュームの濃度の測定結果に応じて、換気装置の風量の増加等の環境改善措置を行うこと。

  4. 金属アーク溶接等作業に労働者を従事させるときは、作業場所が屋内・屋外に「関わらず、有効な呼吸用保護具を使用させること。
    なお、継続して行う屋内作業場については、溶接ヒューム濃度の測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を使用させること。

  5. 測定結果とその評価した記録については、新たに採用又は変更された方法により金属アーク溶接等作業を行わなくなった日から起算して3年を経過する日まで保存すること。

  6. 粉じんの飛散しない方法によって、毎日1回以上清掃すること。



既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
屋外作業場向け屋内作業場向け

溶接ヒューム濃度の測定はどのように行うの?


測定の方法

作業者の呼吸域に近いところの空気を捕集します。
溶接面体を使用している場合、その内側に捕集機器を装着します。捕集機器を小型ポンプに繋ぎ、対象作業中の空気を吸引し、溶接ヒュームを捕集します。

測定対象者数

測定対象者数は、ばく露される溶接ヒュームの量がほぼ均一であると見込まれる作業ごとに、2人以上の労働者とします。
なお、対象者が1人の場合、2作業日の測定を行う必要があります。

測定時間

1日の作業時間の中で、金属アーク溶接等作業に従事する全時間となります。
溶接作業の準備や片付け、溶接作業等の合間に行われる研磨作業など、対象範囲が今後示される予定です。

測定結果の評価値

捕集した溶接ヒューム中のマンガン濃度を測定します。2人以上の測定値のうち、最大濃度を評価値とします。


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
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呼吸用保護具の選定と使用方法は?


呼吸用保護具の選定方法

溶接ヒュームの測定結果より、「要求防護係数」を求め、その値を上回る「指定防護係数」の呼吸用保護具を選定します。

要求防護係数とは、測定された溶接ヒューム中のマンガン濃度を基準値(0.05mg/m3)で除した値を要求防護係数といいます。

PFr = C / 0.05
※ PFr:要求防護係数  C:溶接ヒューム中のマンガン濃度

指定防護係数は、呼吸用保護具の種類に応じて定められた係数で、下表のとおりです。






※「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等
(令和2年7月31日付 厚生労働省告示第286号)」より抜粋

呼吸用保護具の使用方法

呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認する必要があります。
呼吸用保護具を使用する作業者について、1年以内ごとに1回、定期に、作業者の顔面と呼吸用保護具の面体との密着の程度を示す係数(フィットファクタ)を求め、呼吸用保護具の種類に応じた「要求フィットファクタ」を上回っていることを確認します。
フィットファクタは、呼吸用保護具の外側と内側の測定対象物質の濃度比となります。

FF=Cout / Cin
※ FF:フィットファクタ
  Cout:呼吸用保護具の外側の測定対象物質の濃度
  Cin:呼吸用保護具の内側の測定対象物質の濃度

要求フィットファクタは、全面体の呼吸用保護具は500、半面体の呼吸用保護具は100とされています。


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
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溶接棒のSDSにはマンガンが含有されていませんが


マンガンの含有が明示されていない場合でも、実際にはマンガンが含まれ、溶接ヒューム中に一定の比率でマンガンが測定されることがあります。

また、空気中の溶接ヒュームの濃度は、溶接方法や諸条件によって大きく異なるため、実際に測定してみなければ溶接ヒューム中のマンガン濃度を把握することは困難なため、改正法ではマンガンの含有率によって「金属アーク溶接等作業」に該当しないと判断されません。
参考:パブリックコメント結果
「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集について」に対して寄せられたご意見等について(令和2年4月22日,厚生労働省)


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの適用に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
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特定化学物質障害予防規則としての管理は?


次の作業管理等に関する規定が適用されます。

労働衛生教育(雇い入れ時、作業内容変更時) 安衛則第35条
ぼろ等の処理 特化則第12条の2
不浸透性の床 特化則第21条
特定化学物質作業主任者の選任 特化則第27条
関係者以外の立ち入り禁止措置 特化則第24条
運搬貯蔵時の容器等の使用 特化則第25条
休憩室の設置 特化則第37条
洗浄設備の設置 特化則第38条
飲食等の禁止 特化則第38条の2
有効な保護具の備え付け 特化則第43条、第45条


既存の金属アーク溶接等作業については、令和4年3月31日までに「溶接ヒュームの濃度測定」を行い、測定結果に応じて、有効な呼吸用保護具を選択し、労働者に使用させる必要があります。
なお、呼吸用保護具の装着の確認(フィットテスト)については、令和4年4月1日より義務付けられていましたが、JISの改正に合わせ、令和5年4月1日からの施行に延期されました。(令和3年1月26日 厚生労働省令第12号)
今後の運用管理について、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

※ リーフレット「金属アーク溶接等作業について 健康障害防止措置が義務付けられます(厚生労働省)」
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