環境にかかわる仕事をするにはどうしたらいいですか?
環境にかかわる仕事と一口にいっても、さまざまなものがあります。
まず、自分の興味の方向性をきちんと把握した上で、どんな仕事があるのか、その仕事に就くために必要なことなどを情報収集することをお勧めします。
最近は、情報収集可能なインターネットサイトが充実してきていますので、方向性が明確になっている場合は有益な情報が探せると思います。
リンク
・環境省
・外務省国際機関人事センター
・環境系求人情報BE-JOB
・環境goo
・研究者人材データベース
・環境を守る仕事 なり方ガイド
・自然・環境にやさしい仕事50-資格・求人・仕事ナビ
・環境の資格・仕事情報館
個別の化学物質の特性や規制状況が知りたいのですが?
以下に示すホームページのデータベースが充実してきていますので、これらの情報を確認してみることをお勧めします。
- 独立行政法人国立環境研究所化学物質環境リスクセンター 化学物質データベース
- 国立医薬品食品衛生研究所安全情報部 個々の化学物質の情報検索(Web ガイド)
- 財団法人化学物質評価研究機構 化学物質ハザードデータ集
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構化学物質管理センター 化学物質総合検索システム、PRTRけんさくくん、3省共同化学物質データベース
「クリーンエネルギー」って何?
「クリーンエネルギー」「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」「新エネルギー」「グリーン電力」は、同義語のように使われていますが、実際は視点と含まれるものが少しずつ異なります。
「自然エネルギー」は、自然の力から生まれるエネルギーで、太陽光エネルギーや風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギーなどのことです。
今のところ、人間にとって再生可能なエネルギーは「自然エネルギー」ばかりなので、「再生可能エネルギー」と「自然エネルギー」は、ほぼ同義語として扱われています。
「新エネルギー」は、政策的な用語で定義がはっきりしており、再生可能エネルギーのうち普及に支援が必要なものを示します。
「グリーン電力」は、「自然由来のエネルギーを使用して作られた電力」を示します。
「クリーンエネルギー」は、環境に対する汚染物質、例えば窒素酸化物(NOX)や、地球温暖化の原因物質の一つといわれる二酸化炭素(CO2)などを排出しなかったり、排出したとしても問題にならない程度に少なかったりするエネルギーを示し、「自然・再生可能エネルギー」や有害物質の少ない天然ガス、水素などを燃料にする「燃料電池」、一つのエネルギー源から、二つのエネルギーを生み出す「コージェネレーション」など、エネルギー変換効率が良く、環境に優しいエネルギーも含まれます。
「グリーン電力」って何?
「グリーン電力」とは、自然由来のエネルギーである「再生可能なエネルギー」を利用して発電した電力のことを示します。
グリーン電力を発電するのに使うエネルギー源としては、水力、太陽光(太陽熱)、風力、バイオマス、地熱、波力などがあり、石油や石炭などの化石燃料や原子力に対して、日本ではこれら再生利用可能エネルギーのうち、普及のために政策的な支援が必要なものを「新エネルギー」と総称して呼んでいます。
EUでは「エネルギーロードマップ2050年」を2011年12月に採択し、温室効果ガス1990年比80~95%削減のために、再生可能エネルギーの最終エネルギー消費に占める比率を少なくとも55%とする方向を示しています。
ドイツでは長期的エネルギー政策戦略「エネルギーコンセプト」(2010年9月)で、2050年までに最終エネルギー消費の60%を再生可能エネルギーとする方向を示しています。
日本では、2030年までに2005年比で温室効果ガス26%削減、再生エネルギー電源の比率22~24%とする目標を掲げています。
また、企業や組織、個人などを対象としたグリーン電力制度は、グリーン電力を購入するという形で行われ、購入した分だけの証明書(グリーン電力証書)を発行してもらうことでその企業が地球温暖化対策やCSR(企業の社会的責任)に取り組んでいるということをPRできるというメリットがあります。
グリーン電力証書についてのお問い合わせ先の例
日本自然エネルギー
自然エネルギー・コム
「再生可能エネルギー」って何?
「再生可能エネルギー」を一言で説明すると、自然界に存在する繰り返し起こる現象に由来したり、消費しても再生されるエネルギーやエネルギー源のことを指します。
これに対して天然ガスや石油、石炭などのいわゆる化石燃料、核燃料として自然界に存在するウランは、数百万年から数億年以上の時間を経て形成され、使用すると自然界から減ってしまうため「枯渇性エネルギー」と呼ばれています。
再生可能エネルギーには、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマス、温度差などを利用したエネルギーがあり、これらは自然界のエネルギーやエネルギー源を利用するため、「自然エネルギー」と同義語として扱われることもあります。
また、廃棄物を焼却する際に発生する廃熱を利用するなどの「リサイクルエネルギー」を含める場合もあり、資源エネルギー庁では、これらの「技術的に実用化段階に達しつつある」環境負荷の小さいエネルギーを「新エネルギー」と定義し、普及を支援しています。
半永久的に利用できる再生可能エネルギーは、石油のように枯渇の心配がないので、エネルギー問題の観点からも、また温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を発生しない、あるいは地表に既に存在している以上にCO2を排出しないエネルギーとして地球温暖化対策の側面からも、「化石燃料(主に石油)の代替エネルギー」として大きく期待されています。
「低炭素社会」って何?
近代に入って人間は、石油や石炭などの化石燃料を燃やして、本来なら地中に埋まっていた大量のCO2を排出した結果、地球温暖化という大問題にぶつかり、どのように解決するかが全人類に問われています。
低炭素社会とは、従来の化石燃料依存型社会から脱却して、新たな枠組みで人類が持続的に発展していけるような社会構造(技術革新はもちろんのこと、ライフスタイルの転換なども含む)を目指す考えです。
国内では、北海道洞爺湖サミットが行われた2008年7月に「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定し、太陽光発電の積極的な導入(支援)をはじめ、次世代クリーン自動車の研究・開発・実用化にむけての技術革新の促進、環境税導入の検討など、多岐にわたって低炭素社会実現への方向性を示しています。
低炭素社会は、化石燃料を燃やしてCO2を大量に排出することを止めるだけでは実現しません。国、企業、個人レベルで真正面から何を行えばいいのかを考え、実行することがきわめて重要となります。
「ゼロエミッション」って何?
「ゼロエミッション」とは、エミッション(排出)をゼロにすることで、1994年に国際連合大学が提唱したものです。ある工場で排出した廃棄物や副産物を、別の工場が原材料として再利用することで、全体として廃棄物を自然界に排出しないようにすることを目指しています。
ゼロエミッションは、廃棄物そのものを出さない仕組みを作ることで、工場だけを対象としたものではなく社会システムや経済システムも含めた資源循環型社会の構築を目指す概念です。
この循環活動を成立させるには、どのような資源を使って何を作るかが重要になり、リサイクルが購入した製品をどう扱うかという“川下対策”であるのに対して、ゼロエミッションは“川上対策”だといわれる理由はここにあります。
ただし、実際に廃棄物を全く排出しないということは現実的には不可能で、ゼロエミッションでは、製品を作る原材料から見直すという“川上”からアプローチして、どのような製品や副産物が廃棄物として生み出されるかまでを視野に入れて全体を設計することが重要です。
ライフサイクルの中で、再利用できる廃棄物(副産物)を作り出すという発想を川上段階から意識することで、結果としてゼロエミッションに近づくことができるはずです。
廃棄物について、どのような場合に有価物と判断されるのですか?
売却費が運賃を上回り、排出側に利益が出る場合に、有価物と判断されます。
廃棄物の収集・運搬や処理を行う場合には廃棄物処理業・収集運搬業の許可が必要ですが、有価物を扱う場合には許可が不要となります。
生物学的許容漁獲量(ABC)って何?
生物学的許容漁獲量(ABC)とは、水産資源の持続的な有効利用のための資源評価としての推測値で、漁獲可能量(TAC)設定のための科学的根拠とされます。
日本周辺水域における主要水産資源の調査は水産庁が独立行政法人水産総合研究センターに委託して実施しており、水産総合研究センターは、関係水産研究機関等と連携して調査を行い、さらに外部有識者、漁業者等を加えた意見交換を経て調査結果をとりまとめ、資源評価を行っいてます。
ABCの算定に際し国連海洋法条約では、長期的に持続可能な最大生産量(MSY)を実現すべきことが謳われています。
MSY は「その資源にとっての現状の生物的、非生物的環境条件のもとで持続的に達成できる最大の漁獲量」と解釈されますが、水産庁では、「適切と考えられる管理規則による資源管理を継続することで得られる漁獲量」ととらえるのが実際的とし、その管理規則となる「ABC算定のための基本規則」を提案しています。
なぜ里山が大切なの?
「里山」とは、都市部あるいは農村部の集落部分と、原生自然(主に山の中)の中間に位置し、集落とそれを取り囲む二次林、農地、ため池、草原、人間が管理している森林などを含む地域全体を指し示しています。
里山と呼ばれる地域は、日本国土の約4割を占めるといわれ、昔から燃料用の薪を採取したり、食用に山菜やキノコを採ったりするなどの場所として活用されてきました。
里山は、完全に自然のままでもなく、また人間が完全に入り込んで管理しているわけでもなく、適度な人間の介入と管理によって動植物が増え豊かな生態系を保持し、生物多様性を保全する“場”として、人間はその豊かな自然を自分たちの暮らしに役立ててきました。
しかし、高度成長期以降山の役割が徐々に薄れ、大都市の開発やそれに伴い地方から都市部へ人口が流出するなど農村の集落の過疎化が進み、最後には誰も里山に手をつけなくなってしまいました。
東京農業大学の地域環境科学部 森林総合科学科の宮林茂幸教授によると、「里山は人間が適度に手を入れた地域だから、最後まで人間が管理を続けなければならない。そうでないと、たちまち廃れるどころか、別の悪影響を与えることにもつながる」と警鐘を鳴らしています。
自然界における生態系にとって、里山の存在は欠かせない環境であり、現在、絶滅のおそれのある種の半分以上は里山に生息していると見られています。
政府は生物多様性国家戦略の中で、国内で進行している危機の一つに里山の荒廃を挙げています。
そのため環境省は、2004年度から全国4地域(神奈川、京都、兵庫、熊本)で里山の保全および荒廃しつつある里山の再生に関するモデル事業を進めています。
赤土流出って何?
赤土流出とは、沖縄や奄美諸島、小笠原等のサンゴ礁域で降雨により土壌が浸食されて海域に流出することです。
これらのサンゴ礁域の土壌は赤色や暗赤色の成分が多いため赤土と呼ばれています。
裸地状態になった開発工事現場や農用地が主な流出源です。
サンゴ礁域に流入する赤土は海水中の懸濁粒子となり、サンゴの体組織に摩擦による損傷を与えたり光の透過を妨げてサンゴと共生している藻類の光合成を妨げたりして、サンゴの生育に影響を与えます。
また、サンゴは体表に堆積した堆積粒子を除去するために粘液を分泌することによっても多くのエネルギーを消費します。
堆積の程度によっては代謝が阻害されて死亡することもあります。
大気大循環って何?
大気大循環とは、地球的規模の大気の大規模な循環のことです。
対流圏(地表面から約10kmまで)では一年を通じて低緯度地方で高温、高緯度地方で低温となっているので、赤道付近では上昇、極付近では下降の流れが生じ、これに地球の自転効果(コリオリ力の影響)が作用します。
この結果、偏西風、偏東風、貿易風などが発生しています。
また、大陸と海洋の温度差により季節風も生じています。