「クリーンエネルギー」って何?
「クリーンエネルギー」「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」「新エネルギー」「グリーン電力」は、同義語のように使われていますが、実際は視点と含まれるものが少しずつ異なります。
「自然エネルギー」は、自然の力から生まれるエネルギーで、太陽光エネルギーや風力エネルギー、水力エネルギー、バイオマスエネルギーなどのことです。
今のところ、人間にとって再生可能なエネルギーは「自然エネルギー」ばかりなので、「再生可能エネルギー」と「自然エネルギー」は、ほぼ同義語として扱われています。
「新エネルギー」は、政策的な用語で定義がはっきりしており、再生可能エネルギーのうち普及に支援が必要なものを示します。
「グリーン電力」は、「自然由来のエネルギーを使用して作られた電力」を示します。
「クリーンエネルギー」は、環境に対する汚染物質、例えば窒素酸化物(NOX)や、地球温暖化の原因物質の一つといわれる二酸化炭素(CO2)などを排出しなかったり、排出したとしても問題にならない程度に少なかったりするエネルギーを示し、「自然・再生可能エネルギー」や有害物質の少ない天然ガス、水素などを燃料にする「燃料電池」、一つのエネルギー源から、二つのエネルギーを生み出す「コージェネレーション」など、エネルギー変換効率が良く、環境に優しいエネルギーも含まれます。
「グリーン電力」って何?
「グリーン電力」とは、自然由来のエネルギーである「再生可能なエネルギー」を利用して発電した電力のことを示します。
グリーン電力を発電するのに使うエネルギー源としては、水力、太陽光(太陽熱)、風力、バイオマス、地熱、波力などがあり、石油や石炭などの化石燃料や原子力に対して、日本ではこれら再生利用可能エネルギーのうち、普及のために政策的な支援が必要なものを「新エネルギー」と総称して呼んでいます。
EUでは「エネルギーロードマップ2050年」を2011年12月に採択し、温室効果ガス1990年比80~95%削減のために、再生可能エネルギーの最終エネルギー消費に占める比率を少なくとも55%とする方向を示しています。
ドイツでは長期的エネルギー政策戦略「エネルギーコンセプト」(2010年9月)で、2050年までに最終エネルギー消費の60%を再生可能エネルギーとする方向を示しています。
日本では、2030年までに2005年比で温室効果ガス26%削減、再生エネルギー電源の比率22~24%とする目標を掲げています。
また、企業や組織、個人などを対象としたグリーン電力制度は、グリーン電力を購入するという形で行われ、購入した分だけの証明書(グリーン電力証書)を発行してもらうことでその企業が地球温暖化対策やCSR(企業の社会的責任)に取り組んでいるということをPRできるというメリットがあります。
グリーン電力証書についてのお問い合わせ先の例
日本自然エネルギー
自然エネルギー・コム
「再生可能エネルギー」って何?
「再生可能エネルギー」を一言で説明すると、自然界に存在する繰り返し起こる現象に由来したり、消費しても再生されるエネルギーやエネルギー源のことを指します。
これに対して天然ガスや石油、石炭などのいわゆる化石燃料、核燃料として自然界に存在するウランは、数百万年から数億年以上の時間を経て形成され、使用すると自然界から減ってしまうため「枯渇性エネルギー」と呼ばれています。
再生可能エネルギーには、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマス、温度差などを利用したエネルギーがあり、これらは自然界のエネルギーやエネルギー源を利用するため、「自然エネルギー」と同義語として扱われることもあります。
また、廃棄物を焼却する際に発生する廃熱を利用するなどの「リサイクルエネルギー」を含める場合もあり、資源エネルギー庁では、これらの「技術的に実用化段階に達しつつある」環境負荷の小さいエネルギーを「新エネルギー」と定義し、普及を支援しています。
半永久的に利用できる再生可能エネルギーは、石油のように枯渇の心配がないので、エネルギー問題の観点からも、また温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を発生しない、あるいは地表に既に存在している以上にCO2を排出しないエネルギーとして地球温暖化対策の側面からも、「化石燃料(主に石油)の代替エネルギー」として大きく期待されています。
「低炭素社会」って何?
近代に入って人間は、石油や石炭などの化石燃料を燃やして、本来なら地中に埋まっていた大量のCO2を排出した結果、地球温暖化という大問題にぶつかり、どのように解決するかが全人類に問われています。
低炭素社会とは、従来の化石燃料依存型社会から脱却して、新たな枠組みで人類が持続的に発展していけるような社会構造(技術革新はもちろんのこと、ライフスタイルの転換なども含む)を目指す考えです。
国内では、北海道洞爺湖サミットが行われた2008年7月に「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定し、太陽光発電の積極的な導入(支援)をはじめ、次世代クリーン自動車の研究・開発・実用化にむけての技術革新の促進、環境税導入の検討など、多岐にわたって低炭素社会実現への方向性を示しています。
低炭素社会は、化石燃料を燃やしてCO2を大量に排出することを止めるだけでは実現しません。国、企業、個人レベルで真正面から何を行えばいいのかを考え、実行することがきわめて重要となります。
「ゼロエミッション」って何?
「ゼロエミッション」とは、エミッション(排出)をゼロにすることで、1994年に国際連合大学が提唱したものです。ある工場で排出した廃棄物や副産物を、別の工場が原材料として再利用することで、全体として廃棄物を自然界に排出しないようにすることを目指しています。
ゼロエミッションは、廃棄物そのものを出さない仕組みを作ることで、工場だけを対象としたものではなく社会システムや経済システムも含めた資源循環型社会の構築を目指す概念です。
この循環活動を成立させるには、どのような資源を使って何を作るかが重要になり、リサイクルが購入した製品をどう扱うかという“川下対策”であるのに対して、ゼロエミッションは“川上対策”だといわれる理由はここにあります。
ただし、実際に廃棄物を全く排出しないということは現実的には不可能で、ゼロエミッションでは、製品を作る原材料から見直すという“川上”からアプローチして、どのような製品や副産物が廃棄物として生み出されるかまでを視野に入れて全体を設計することが重要です。
ライフサイクルの中で、再利用できる廃棄物(副産物)を作り出すという発想を川上段階から意識することで、結果としてゼロエミッションに近づくことができるはずです。
廃棄物について、どのような場合に有価物と判断されるのですか?
売却費が運賃を上回り、排出側に利益が出る場合に、有価物と判断されます。
廃棄物の収集・運搬や処理を行う場合には廃棄物処理業・収集運搬業の許可が必要ですが、有価物を扱う場合には許可が不要となります。