赤土流出って何?
赤土流出とは、沖縄や奄美諸島、小笠原等のサンゴ礁域で降雨により土壌が浸食されて海域に流出することです。
これらのサンゴ礁域の土壌は赤色や暗赤色の成分が多いため赤土と呼ばれています。
裸地状態になった開発工事現場や農用地が主な流出源です。
サンゴ礁域に流入する赤土は海水中の懸濁粒子となり、サンゴの体組織に摩擦による損傷を与えたり光の透過を妨げてサンゴと共生している藻類の光合成を妨げたりして、サンゴの生育に影響を与えます。
また、サンゴは体表に堆積した堆積粒子を除去するために粘液を分泌することによっても多くのエネルギーを消費します。
堆積の程度によっては代謝が阻害されて死亡することもあります。
大気大循環って何?
大気大循環とは、地球的規模の大気の大規模な循環のことです。
対流圏(地表面から約10kmまで)では一年を通じて低緯度地方で高温、高緯度地方で低温となっているので、赤道付近では上昇、極付近では下降の流れが生じ、これに地球の自転効果(コリオリ力の影響)が作用します。
この結果、偏西風、偏東風、貿易風などが発生しています。
また、大陸と海洋の温度差により季節風も生じています。
ディーゼル排気微粒子って何?
ディーゼル排気微粒子とはディーゼルエンジンから排出される微粒子で、DEPとも略称されています。
「ディーゼル排気粒子」と呼ばれることもあります。
ベンツピレンなどの発ガン性物質が含まれ、それに加えてぜん息などのアレルギー疾患との関係も指摘されています。
炭素と灰分から成る固体粒子の集合であり、未燃燃料、潤滑油、不完全燃焼生成物、熱分解生成物などが含まれます。
また、燃料中の硫黄分の一部がSO3まで酸化して硫酸や硫酸塩の形で粒子状物質の中に存在しています。
その質量の大部分は粒径0.1~0.3μmの範囲です。
2002年3月の「ディーゼル排気微粒子リスク評価検討会平成13年度報告」によれば、健康リスクの評価のまとめとして「これまでの知見を総合的に判断して、ディーゼル排気微粒子の人に対する発がん性は強く示唆されていると考える。」と結論づけられています。
弊社では、大気汚染防止条例に基ずくディーゼル発電機のばい煙測定も行なっております。
オスパール条約って何?
オスパール条約とは、 オスロ・パリ条約ともいわれる北東大西洋の海洋環境保護のための条約で、ベルギー、デンマークなど北東大西洋面する15カ国と欧州連合が締約国となり、1998年3月25日に発効しました。
オスロ条約(欧州投棄規制条約 1972)とパリ条約(陸上起因海洋防止条約 1974)による海洋汚染防止を確実に実施するために1974年に設置されたオスパール委員会の活動が基礎になっています。
この条約は予防原則という考え方を、締約国の一般義務として取り入れた法的拘束力をもつ最初の枠組みです。
グローバル・カーボン・プロジェクトって何?
グローバル・カーボン・プロジェクトとは、地球システム科学パートナーシップ(ESSP)のもとで、
・地球圏-生物圏国際共同研究計画(IGBP)
・世界気候研究計画 (WCRP)
・地球環境変化の人間、社会的側面に関する国際研究計画 (IHDP)と共同して、炭素循環などの地球環境維持に必須の課題を取り扱う共同プロジェクトのことです。
その目的は生物物理学と人間的次元およびそれらの間の相互作用とフィードバックを含むグローバル炭素循環についての包括的な政策、適切な理解を開発することです。
2004年4月につくばの国立環境研究所で第二の事務所が設置されました。
地球環境ファシリティーって何?
地球環境ファシリティーとは、アルシュ・サミットの議論を受け、開発途上国における地球環境保全への取組を支援するための追加的な資金を提供するために発足した新たなメカニズムです。
原則として無償資金を供与する多国間援助のしくみです。
1991年3月にパイロットフェーズとして発足し、1994年からは20億ドル強の資金で本格実施(フェーズ1)が開始され、さらに1998年からは27.5億ドルの規模でフェーズ2が開始されています。
対象分野は地球温暖化の防止、生物多様性、国際水域汚染の防止及びオゾン層の保護の4分野であり、砂漠化、森林減少を含む土地劣化問題については上記4分野に関連する場合にはGEF資金供与の対象となります。
日本はフェーズ2では約4億1,500万ドルを拠出するなどアメリカに次いで第2位の拠出国となっています。プロジェクトの実施機関は世界銀行、国連環境計画、国連開発計画の3機関です。
セリーズ原則って何?
セリーズ原則とは、企業が環境問題への対応について守るべき判断基準を示した倫理原則です。
1989年、アラスカのプリンス・ウィリアム海峡でエクソンモービル社の大型タンカー「エクソン・バルディーズ号」が座礁して大量の原油を流出させて起こした環境破壊事故(アラスカ湾原油流出事故)を教訓にして、同年、アメリカの環境保護グループCERESが発表したもので、当初はバルディーズ原則と呼ばれましたがのちに改称されました。
なお、この事故を契機として、1990年に「油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約」(OPRC条約)が締結されています。
セリーズ原則の内容は以下の10項目にわたっています。
1)生物圏保護のため汚染物質の放出をなくすよう努力する、
2)天然資源有効利用と野生動植物の保護に努める、
3)廃棄物処理とその量の削減に努める、
4)安全、持続的なエネルギー源利用に努める、
5)安全な技術やシステムを採用し緊急事態への対応を図る、
6)安全な商品やサービスを提供し、それらが環境に与える影響を消費者に知らせる、
7)環境破壊に対する全ての損害賠償責任を負う、
8)情報の公開を行う、
9)環境問題を担当する取締役を置く、
10)環境問題への取組みを評価する独自の年次監査報告の公表を行う。
人間環境宣言って何?
人間環境宣言とは、1972年に開催された国連人間環境会議(ストックホルム会議)において採択された宣言です。
7項目の共通見解(前文)と、26項目の原則により構成されています。
宣言は、環境問題に取り組む際の原則を明らかにし、“人間環境の保全と向上に関し、世界の人々を励まし、導くため共通の見解と原則”(同宣言前文)を表明して、環境問題が人類に対する脅威であり、国際的に取り組むべきことと明言しています。
また、現在および将来の世代のための人間環境擁護と向上が人類にとって至上の目標、すなわち平和と世界的な経済社会発展の基本的かつ確立した目標であるとし、環境や自然資源の保護責任、環境教育の必要性、人類と環境の核兵器等による大量破壊からの回避などを提示しています。
ロンドンダンピング条約って何?
ロンドンダンピング条約とは、船舶、海洋施設、航空機からの陸上発生廃棄物の海洋投棄や洋上での焼却処分を規制するための国際条約です。
「ロンドン海洋投棄条約」、「ロンドン条約」、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」などとも呼ばれています。
1972年に採択され、1975年に発効、日本は1980年に批准しました。
1972年のストックホルムの国連人間環境会議での勧告を受けて採択されたもので、2006年時点での締約国は84カ国です。
同条約は、各国が取るべき措置等について規制の内容を定めた条約本文と、投棄禁止物質(附属書I)、投棄に特別許可を必要とする物質(附属書II)、特別許可又は一般許可の発給基準を定める際の考慮事項(附属書III)を定めた3つの附属書よりなります。
国内的には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」及び「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」に基づき措置がとられてきました。
1996年に議定書(96年議定書)が採択され、以前の投入禁止リストに代わって「リバースリスト」と呼ばれる投入可能なもののリストが決められ、それらの廃棄に際して一連の厳格な管理と影響評価のための手続規定である「廃棄物評価フレームワーク」が導入されました。
この96年議定書の締結を目指して国内法の整備が急がれており、2004年5月には「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」が改正されました。
議定書は、条約締約国15カ国を含む26カ国以上の批准または加入の後、30日目に発効することとなっています(2006年2月現在:22カ国、うち現行条約締約国は18カ国)。
環境教育推進モデル市町村って何?
環境教育推進モデル市町村とは、市町村を単位としたモデル地域において、学校・家庭・地域が一体となって環境教育を推進、実践することを目的として文部科学省が指定するものです。
指定期間は2年間。モデル地域では、地域の特性等を生かした環境教育の推進方策や学校・家庭・地域の連携方策等について企画・立案や検討をする「環境教育推進協議会」及び域内の小・中学校等を対象とした「実践協力校(モデル校)」が設置されます。
実践協力校では、各教科及び総合的な学習の時間等における環境教育の指導内容・方法、各教科等での教材の開発や利用、学校間の連携や家庭、地域の環境教育を推進する機関・団体等との連携を図った環境教育等について実践研究が進められます。
研究成果は、中等教育資料増刊号「環境教育推進モデル市町村研究集録」(文部科学省編集)にとりまとめられています。
なお、平成15年度より事業名称が「環境教育実践モデル事業」と改められています。
日中韓大気汚染物質長距離越境移動研究プロジェクトって何?
日中韓大気汚染物質長距離越境移動研究プロジェクトとは、韓国の環境部と国立環境研究院が中心となって組織した酸性雨等に対する日中韓の共同研究
プロジェクトです。
北東アジアの越境大気汚染問題に対して、モニタリングおよびモデリング分野の共同研究を行い、黄砂や大気汚染物質の長距離輸送の実態把握と地域で活動が広げられています。
作業は、各国の政府及び専門家を含む作業部会によって行われています。
具体的には、2004年までの5年間、各国において航空機観測、大気汚染物質排出量データの整備、長距離移動モデル計算等の調査を行い、その結果を持ち寄って比較することとされています。
改正アセス法って何?
改正アセス法とは、環境影響評価法の一部を改正する法律のことで、環境影響評価法の完全施行後10年を通じて明らかとなった課題等に対応するために、2011年4月に制定されたその改正法を言います。
改正法の最大の特徴は、事業の位置・規模等の検討段階を対象とする戦略的環境アセスメント(SEA)が「配慮書手続」として導入されたことであり、法の対象事業者が、事業の位置・規模又は施設の配置・構造等を検討する段階で環境保全のために配慮すべき事項について検討を行い、計画段階環境配慮書(配慮書)を作成して関係者の意見を聴くとする手続が規定されました。
また、評価書を公告した事業者が、工事中に講じた環境保全措置や事後調査の結果を住民や地方自治体が知ることができるよう、その結果を図書にまとめて報告・公表を行うとする
「報告書手続」が定められました。
このほか、改正法には、交付金事業の対象事業への追加、方法書段階での説明会の開催、環境影響評価図書の電子縦覧、環境大臣の意見提出の拡大等も盛り込まれました。