サービスQ&A


剥離した塗膜を廃棄するために確認しておくべき有害物と基準値を教えてください。


測定が必要な有害物の項目については、塗膜の処分委託先の受入基準や、公共工事なら特記仕様に示されている項目となりますので、発注者や塗膜の処分委託先への確認が必要です。
弊社に問合せ頂く場合は、PCB、鉛、クロムを対象項目として分析依頼を受ける場合が多いです。

(PCB含有廃棄物に該当するかの判定基準)
PCB含有廃棄物になるかどうかの判定基準は、令和元年10月11日に環境省から「ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について」と通知が発せられております。
その中で塗膜くずについてPCB含有廃棄物になるかの判定基準が示されています。

判定基準
PCBを含む液が自由液として存在しない場合 ・・・含有濃度0.5mg/kg以下
PCBを含む液が自由液として存在する場合 ・・・0.5mg/kg超のPCBが含まれた油が付着していないこと

この判定基準に一致しない場合はPCB廃棄物となります。
またPCB含有濃度が5000mg/kgを超える場合は、高濃度PCB含有廃棄物となります。

(特別管理産業廃棄物に該当するかの基準)
廃棄物処理法により、汚泥や鉱さい、燃え殻等について、有害物質を一定濃度以上溶出する場合は、特別管理産業廃棄物として、中間処理し無害化してからの処分か、遮断型埋立処分が必要となります。
汚泥や鉱さい、燃え殻等で特別管理産業廃棄物に該当するかの判定基準は次の通りとなります。

判定基準    
PCB ・・・0.003mg/L
・・・0.3mg/L
クロム ・・・1.5mg/L

この判定基準を超える場合は、特別管理産業廃棄物に該当となります。

(外部リンク)
ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について

塗膜の有害物調査はしていますか?どのようにサンプリングしていますか?また分析方法を教えてください。


弊社でも塗膜のサンプリング、分析を実施しております。

(サンプリングについて)

  • 環境省より、「ポリ塩化ビフェニルを含有する可能性のある塗膜のサンプリング方法について」と通知が発せされております。この中でサンプリング箇所等について次のように記載がされております。
    ・対象施設毎に同一の塗膜構成毎に行うことを基本とする
    ・塗装の劣化等が比較的少なく、かつ直射日光や水掛かりの影響を受けにくい場所とする
    ・現況の塗膜厚が周辺よりも薄くなっている部位からのサンプリングは避ける
    ・サンプリング数は、サンプリング場所ごとに 1 箇所以上とする
    ・サンプリング量は、上塗から下塗までの全ての塗膜について適切に分析できる量とする
    また、日本鋼構造協会発行「鋼構造物塗膜調査マニュアル」に順じ、剥離作業時の塗膜飛散防止対策を行い、超音波ケレン等を用いて、素地が露出するまで塗膜を採取しております。

(分析について)
それぞれ次の公定法を用いて分析を行います。
-含有濃度-
PCB 低濃度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法(第4版)
JIS K 5674付属書A 塗膜中の鉛の定量の方法
クロム JIS K 5674付属書B 塗膜中のクロムの定量の方法

-溶出濃度-
PCB 昭和48年環境庁告示第13号「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」
六価クロム

(外部リンク)
ポリ塩化ビフェニルを含有する可能性のある塗膜のサンプリング方法について
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第4版)

換気扇やダクトから、気になる臭いがするのだが規制があるのか?

2019/05/17 サービスQ&A 悪臭

規制対象です。
規制方法は各自治体により異なります。具体的には特定悪臭物質規制か臭気指数(においそのもの強さ)規制かで変わります。特に臭気指数規制になると、排出出口(高さ、排出口径)以外にも、事業所内の建家及び位置関係までの情報が必要になり、かなり複雑になりますので、一度ご相談下さい。


悪臭・臭気測定についてはコチラ

局所排気装置とは?


粉じんや有機溶剤、ガスといった人体に有害な物質を、作業者が吸い込まないために、ダクトによって屋外に排出する装置です。

発生源のそばに空気の吸い込み口(フード)を設け、常に吸引するような局所的な気流をつくることで、室内に有害物質が拡散する前に排出します。

局所排気装置の構造については、有機則や特化則などの厚生労働省令に即した要件を満たす必要があり、満たさない場合は法的に局所排気装置と認められません。


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定期自主検査は必要なのか?


局所排気装置は1年以内ごとに1回、定期に自主検査を行わなければならないと規定されています。
(特定化学物質障害予防規則第30条、有機溶剤中毒予防規則第20条 など)

経年劣化等により設備の性能は徐々に低下します。
設計時の能力から低下した状態で作業を続けていると、作業者の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。局所排気装置の性能維持のため、自主検査をお願いします。

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局所排気装置の制御風速とは?


有害物の発散を防ぐために必要とされる局所排気装置の風速です。
対象物質や局所排気装置の型式によって、制御風速は異なります。







なお、囲い式やブース式のフードではフードの開口面における最小風速を、外付け式やレシーバー式フードでは
有害物を吸引する範囲内におけるフードの開口面から最も離れた作業位置の風速を言います。

  • 囲い式の測定点

  • 外付け式の測定点




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抑制濃度とは?


「発散源付近における有害物質の濃度をその値以下に抑えることによって、作業者のばく露濃度を安全水準に保つよう意図して定めた濃度」と定義されます。

具体的には、局所排気装置のフードの外側や開放面から一定距離(0.5~1m)離れた所定の位置で対象有害物の濃度測定を行い、有害物濃度が抑制濃度以下である必要があります。

抑制濃度が定められているのは、特定化学物質(一部を除く)と石綿、鉛です。

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環境影響評価(環境アセスメント)制度とはどのような制度ですか?


環境アセスメントの制度とは、事業者が大規模な事業を実施する前に、事業に関する情報や事業の実施による環境影響の調査結果などを書面で公表し、住民、市町村、県や国などから提出される環境の保全の見地からの意見を踏まえ、事業計画を環境保全上より良いものとしていく手続きのことです。


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環境影響評価の手続きは誰が行うのですか?


境アセスメントの対象事業を実施しようとする者が、環境アセスメントの手続きに従って環境影響評価書等を作成するなど、手続きを行うことになります。
また、都市計画決定を伴う事業においては、実際の事業者に代わって都市計画決定権者が環境アセスメントの手続きを行うこととされています。
なお、環境アセスメントの調査や環境影響評価書の作成等は専門的な作業も多いことから、一般的には環境調査等を専門業務とするコンサルタントへ委託されているケースが多く見られます。


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製造過程にて内容物不明な強酸の液体が出たのですが、その液体の成分と、どのようなものが溶解しているか調べたい。

2016/09/04 サービスQ&A

事例2:B社(窯業製品製造業者)からの問い合わせ。

窯業製品製造業者とのことより、液体は主に無機成分であることが予測されました。
この為、イオンクログラフ法で陰イオンの分析を、ICP発光分光分析法で金属元素の定性・半定量分析を行いました。
イオンクロマトグラフ法では塩化物イオンとリン酸イオンの2種類が検出されリン酸イオンについては約50%ほど検出されました。
ICP発光分光分析法では12種類の金属元素が検出され、最も含有量があったものはアルミニウム元素でした。
以上の結果から、試験対象はりん酸溶液であり、アルミニウムが溶解していていることが分かりました。



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