PCB処分


キュービクルがあるんだけど、PCBの検査はどうしたら良いのでしょうか?


キュービクルの中には、変圧器(トランス)やコンデンサ等の電気機器が設置されています。
このトランスやコンデンサにはPCBが含まれている可能性があり、PCBを含んでいるかどうかの確認が必要です。

PCB含有の確認は、機器の銘板に記載されている型式やシリアルナンバーよりメーカー等で確認する方法と、分析により直接確認する方法があります。

銘板による方法では、日本電機工業会においても「PCBを含む電気機器のリスト」を掲載しているので、そちらでも確認することが出来ます。
銘板で判別できない場合は、分析による検査が必要となります。

もし、PCBが0.5mg/kg以上の濃度で含有するものであった場合はPCB含有と判断され、次の3点の遵守が法律で定められています。
   【 ①行政への届出 ②適正保管 ③期限までの廃棄 】

なお、PCBは1954年から1972年までは生産・使用されていた物質であり、その期間に生産された電機機器には意図的にPCBを使用している製品が多く、これらは銘板の確認でPCBの含有が判断できます。
また1990年製造までは、PCBが混入している可能性があるとされており、この期間に製造されたものについては分析等による確認が必要です。
日本電気工業会によると、1991年以降、工業会に加盟するメーカーの電機機器においては出荷段階でのPCB混入はないと判断されていますが、実際に電機機器類を廃棄する際はPCBの混入がないか確認を求められます。

PCBを含む電気機器についてのお知らせ(日本電機工業会)
岡山県PCB保管状況の届出はこちら
岡山県PCB保管基準はこちら
岡山市PCB保管状況
PCBについて詳しくはこちら(弊社HP内)


PCB分析についてはコチラ

PCB廃棄物の処分はどこで出来るの?


PCB廃棄物は①高濃度PCB廃棄物と②低濃度PCB廃棄物に分けられ、処分できる機関が異なります。
高濃度PCB廃棄物、低濃度PCB廃棄物の区別と処分先は次の通りです。
 ①高濃度PCB廃棄物
  定義:PCBを意図して使用した電気機器の廃棄物
  一般的にコンデンサはPCB濃度概ね100%
  一般的にトランスはPCB濃度概ね60%
  処分先:JESCO(日本環境安全事業(株))
      処分可能な期間はJESCOのみとなります。
 ②低濃度PCB廃棄物
  定義:微量PCB汚染廃電気機器等:非意図的にPCBが混入した廃棄物
     低濃度PCB含有廃棄物:PCB濃度が5,000mg/kg以下の廃棄物
  処分先:無害化処理認定施設(PCBに関する特別管理産業廃棄物処理の許可施設)
     環境省に認定された民間の処分機関となります。
    (下部のリンク先に一覧が表示されております)

キュービクルがあるんだけど、PCBの検査はどうしたら良いのでしょうか?(弊社HP内)
PCBについて詳しくはこちら(弊社HP内)

(外部リンク)
廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設はこちら(環境省)


PCB分析についてはコチラ

PCB廃棄物の処分はいつまでに行う必要があるの?


PCB廃棄物の処分はストックホルム条約で平成40年を期限として定められております。
これを受け国内では、平成39年までの処分がPCB特別措置法にて定められております。
期限内の処分を完了するため環境省でPCB適正処理の推進が進められており、高濃度PCB廃棄物については、処分完了時期が次の通り計画されております。
【高濃度PCB廃棄物の処分期限(西日本)】
■トランス・コンデンサ
JESCO北九州 平成31 年3月31 日
JESCO大阪  平成34 年3月31 日
■安定器等・汚染物(小型電気機器の一部を除く)
JESCO北九州(大阪、豊田)平成34 年3月31 日

このため国や自治体ではPCB廃棄物の掘り起し調査を今年度以降本格化させていくとされており、各事業所様においても確認作業を進めていくことが望まれます。

PCB廃棄物の処分はどこで出来るの?(高濃度PCBと低濃度PCBの判別について)(弊社HP内)

(外部リンク)
第14回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事次第・資料(環境省)


PCB分析についてはコチラ

PCB廃棄物ってどのように保管するの?


分析やメーカーへの問合せ等により、PCB含有廃棄物と判明した場合、廃棄委託までの期間は、定められた適正な方法での保管・管理が義務付けられております。

保管基準は次の通りとなります。

保管基準 (廃棄物処理法施行規則第8条の13)
①保管場所は雨水が当たらない場所とし、その周囲に囲いを設け、
 特別管理産業廃棄物を保管している旨の表示をする。
  掲示の大きさ:縦及び横それぞれ六十センチメートル以上であること
  掲示の内容 :特別管理産業廃棄物の保管の場所である旨
         保管する特別管理産業廃棄物の種類(PCB含有廃棄物)
保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
②誤廃棄を防止するため、PCB廃棄物で あることを示すラベルの貼付をする。
③PCBが環境中に飛散・流出・地下浸透しないように、トランス等を鋼製容器 やオイルパンに収納する。
 (地震等による転倒を防止するため、保管容器内にパッキング材を詰めたり、保管容器を固定する。)
④PCBを含んだ廃油やPCB汚染物、PCB処理物にあっては容器に入れ密封し、
 また揮散防止のため、高温にさらされない場所で保管する。
⑤漏洩した廃電気機器の処置 長期間の保管による腐食の進行や転倒による損傷等で、
 PCBが漏洩するおそれがある。漏洩したときは、鋼製容器への収納又は目止め材による補修が必要です。

PCB廃棄物の処分はいつまでに行う必要があるの?(弊社HP内)

(外部リンク)
PCB廃棄物を保管している事業者のみなさまへ(環境省)
保管基準:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則


PCB分析についてはコチラ

PCBが含まれているか分からない安定器(蛍光灯・水銀灯・低圧ナトリウム灯)を処分したい!!


オフィスや教室の蛍光灯器具、高天井や道路用の水銀灯器具、トンネルなどの低圧ナトリウム灯には、その中に安定器という器具が使用されています。
安定器については、安定器の中に組み込まれているコンデンサ中にPCBが含まれていることが確認されており、日本照明工業会によってPCBの含有判断が次の通り行われております。(下記リンク先あり)
 ・高力率以外の安定器:PCBを含まない
 ・高力率(力率0.85、85%以上の安定器)
   昭和32年~昭和47年8月製造:PCBが含まれる
   昭和49年以前の照明器具かつ昭和52年以前の施設:PCBを含む判断が妥当

安定器の銘板が読み取れ、メーカーや製造年、力率、ロット番号が判別できる場合は、メーカーへの問合せや日本照明工業会によるPCBの含有判断によって確認をすることができますが、読み取れない場合はPCB含有かどうかの判断は一般的に難しくなります。

安定器を分解・解体し、組み込まれているコンデンサより絶縁油等を取り出し分析することは可能ですが、安定器の90%を占めるコンデンサ充填材固定型安定器の場合はコンデンサ以外の充填材等もPCBで汚染されているケースが多く、分解等により汚染が広がる可能性が高いことから環境省通知により分解・解体が原則として「認めるべきではない」と技術的な助言がなされております。

このため、PCBが含まれているか不明なものについては、検査によりPCB含有を確認するのではなく、高濃度PCB含有廃棄物とみなしてJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)に処分委託できるものとなり、そちらをお勧めしております。

なお、PCBが含まれていない年代の安定器であり、産業廃棄物として処分する際に引き取り業者よりPCB不含の証明を求められた時などは、場合に応じて分析による検査をお受けすることができます。

(外部リンク)
日本照明工業会(PCB使用照明器具に関する情報)
環境省:ポリ塩化ビフェニルが使用された廃安定器の分解又は解体について(通知)


PCB分析についてはコチラ

コンクリート床面に絶縁油が漏れ出していた!!どうしよう!?


コンクリート床面に低濃度PCBを含んだ絶縁油が漏れ出していたという問合せを受けることがあります。
この場合は行政に報告を行い適切な処置を講じることが必要です。
ただし、次の様な行政判断があるので、ご参考として記載いたします。
経済産業省において「電気工作物からの絶縁油の漏洩に関する届出状況について」の記載があり、こちらによれば、漏洩した絶縁油により汚染された土壌等については回収や洗浄措置を講じるとされています。
また、大阪府HPのPCB廃棄物に関するQ&Aの「Q111」に「PCBが漏洩してPCBが付着したがれき類が発生したが、PCB廃棄物となる基準はあるのか?」という問いに対する回答があります。
そこでは、がれき類に対してはPCB汚染物に対する基準はないため、汚染のおそれがあるものはPCB汚染物とする運用をされているとあります。
このため、PCBを含んだ絶縁油がコンクリート床面に漏れ出した場合は、漏洩した範囲のコンクリート等の除去とPCB廃棄物としての処分は必要になるとお考え頂いた方が良いと思われます。
なお、汚染範囲の推定等、対策の一環としてコンクリート中のPCB濃度を測定することも可能です。
PCB濃度の測定方法は平成4年7月環告192号「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(別表第3)」の試験方法を引用したものとなります。

(外部リンク)
電気工作物からの絶縁油の漏洩に関する届出状況について(経済産業省)
PCB廃棄物のQ&A(大阪府)


PCB分析についてはコチラ

ウエスや金属くず、鋼製容器のPCB検査はどうするの?判定基準を教えてください!(拭き取り検査・部材検査方法)


PCB廃棄物を保管していた鋼製容器やPCB廃棄物を搬出する際に使用したウエス等を処分する際に、PCBによって汚染されている可能性がある場合は、廃棄処分に先立ちPCBにより汚染を受けているか検査する必要があります。
ウエスなどの繊維くず、金属くず、樹脂くず、コンクリートくずなど媒体によって、含有量試験や表面抽出試験、拭き取り試験等を選定し検査を行います。
なお、PCBによって汚染されているかどうかの検査方法はその目的によって方法や判定基準が異なります。
 1. 高濃度PCB廃棄物に該当するか、低濃度PCB廃棄物に該当するか判定する試験。
   ⇒低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第2版)に準拠
 2. PCB廃棄物に該当するか、該当しないか判定する試験。
   ⇒「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」
    (平成4年厚生省告示第192 号)

   判定基準は次の通りとなります。
 ① 高濃度PCB含有廃棄物に該当するもの
   ・含有量試験において5000mg/kgより大きい場合
   ・拭き取り試験において1 mg/100c㎡以上の場合
 ② 低濃度含有廃棄物に該当するもの
   ・含有量試験において0.5mg/kgより大きい場合
   ・付着量の試験(拭き取り試験法または部材採取試験法)において
    0.1μg/100c㎡、または0.01mg/kgより大きい場合
 ③ ②の判定基準を下回る場合は、PCB含有廃棄物とは見なされません。

(外部リンク)
特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」(平成4年厚生省告示第192 号)
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第2版)


PCB分析についてはコチラ