環境一般


どうしてボイラーの排ガス測定は必要なの?(ばい煙測定のあらまし)

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

工場や事業場の設置されているボイラーなど、燃料などの燃焼に伴い、大気汚染の原因となる物質を発生する施設は、ばい煙発生施設とされ、大気汚染物質の排出が法律で規制されています。(大気汚染防止法)
大気汚染物質の規制内容は次の通りです。
 ①硫黄酸化物の排出量
 ②排ガス中のばいじん濃度
 ③排ガス中の有害物質の濃度
  有害物質とは、a)窒素酸化物、b)カドミウム及びその化合物、
  c)塩素及び塩化水素、d)フッ素、フッ化水素及びフッ化珪素、
  e)鉛及びその化合物が規定されています。

このように、排ガス中の大気汚染物質は排出量または排出濃度で規制が設けられており、定期的な測定により、その確認と記録の保存が義務化されています。
(排出ガス量や施設の種類・規模や、設置される地域により基準値や測定頻度は異なります)

大気汚染防止法で定めるばい煙発生施設はこちら
排ガス・ばい煙測定の詳細はこちら

外部リンク
岡山県大気規制のあらまし

地下水汚染未然防止って何?(水質汚濁防止法の改正について)

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

生産設備・貯蔵設備の老朽化や、作業ミス等による、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、ベンゼン、六価クロムやヒ素などの漏洩により、有害物質の地下水汚染事例が確認されており、これら有害物質による地下水汚染を未然に防止する目的で、平成24年6月に水質汚濁防止法が改正されています。
この改正により、有害物質を使用または貯蔵する施設の設置者に対し、次のことが義務化されています。

 ①構造基準の遵守義務
 (地下浸透を防止できる構造としないといけない)
 ②定期点検の実施と記録保存義務
 (目視等で施設・設備に異常や割れ等がないか点検し、その記録を保存することが必要)

また、有害物質を使用または貯蔵する施設を設置している事業者は、都道府県知事等へ届出が必要です。
有害物質を使用する特定施設で、排出水の全量を下水道へ放流していた施設も届出対象となります。

有害物質の一覧についてはこちら
外部リンク
環境省(水質汚濁防止法の改正)
岡山県(水質汚濁防止法の一部を改正する法律の施行について)

「グリーンコンシューマ」って何?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

「グリーンコンシューマ」とは、“環境への配慮をしたり、環境負荷の少ない製品を購入したりする消費者”のことを示します。
環境問題への意識が高く、製品のライフサイクル全体で環境にやさしい製品を購入したり、積極的にリサイクルをしたり、健康に良い商品を選んだりする人々のことです。
元々は、企業の責任に関しての活動で有名なジョン・エルキントン(John Elkington)と、フリーランスのコンサルタントで、社会問題や環境問題に関する発言で影響力のあるジュリア・ヘイルズ(Julia Hailes)の執筆した『The Green Consumer Guide』が、1988年に英国で出版されたことから、世界的に広がった言葉です。
日本においても、京都で1991年に、当時のごみ問題市民会議により『かいものガイド・この店が環境にいい』という地域のグリーンコンシューマ・ガイドが出版され、それ以降各地に広がりました。
「グリーン購入」では、その製品やサービスがどの程度、環境に配慮されたものかに注目して選んで購入することに加え、購入する際に本当に必要なのか、そして使用後のリサイクルやリユースなどのしやすさもなども考慮することが重要としています。
つまり、グリーンコンシューマはグリーン購入をする消費者たちと言い換えることもできます。
また、LOHAS(ロハス)と似ている部分も指摘されますが、ライフスタイルの一環として、積極的な消費を行うLOHASに比べて、買い物自体を抑えていこうという姿勢が目立ちます。
日本でグリーンコンシューマ活動に取り組む環境NGOの環境市民は、「グリーンコンシューマの買い物 10の原則」を掲げていますが、一方で冒頭では消費を抑える重要性を指摘しています。
また、グリーンコンシューマ活動の啓蒙団体の多くは、環境に対する配慮や環境汚染の防止、自然と生態系の保護のほかにも、労働環境の改善や利益の公正な分配などについても重要視しています。
グリーンコンシューマでは、消費者自身の健康と住環境だけでなく、ボーダーレスなグローバル社会のなかで、地球全体の自然や生態系を守り、公正な社会を築こうという考え方があり、企業の社会的責任(CSR)の発想も含んでいるためです。
その根底には企業の論理優先で売られる品物を受動的に買うのではなく、消費者が意識的に商品を選択することにより、企業の経営や販売する製品に対して、消費者自身の健康や環境保護のほか、労働環境の改善などに関しても圧力をかけていこうという狙いもあるようです。
グリーンコンシューマに対する批判のなかには、「ニッチ・マーケットであり、影響力が小さい」とか、「企業のマーケティングに利用されて、必ずしも企業体質の変化に影響を与えない」といったものもあるが、消費者の一人ひとりが、環境や生態系などに意識を持って購入する商品を選ぶのと、そうでないのには、大きな違いがあるはずです。

「グリーン金融」って何?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

「グリーン金融」とは、企業が環境経営を展開していく際に支援する金融のことで、環境経営を行うための投資や融資、商品など関連する仕組みの総称として使われることもあります。
欧米では1980年代からSRI(社会的責任投資)ファンドの浸透や、NGO(非政府組織)の取り組みなどによって急速に拡大したという経緯があるのに対して、日本では、1998年の滋賀銀行による環境融資制度の創立が、2003年にみずほコーポレート銀行が邦銀の中では初めて「赤道原則(エキクーター原則)」(一定規模以上のダムや発電施設、天然資源などの開発プロジェクト事業に融資する際、環境や社会面での影響を評価し、融資実施後にその順守状況をモニタリングすることなどを定めた民間金融機関の自主規定のこと。)を採択しました。
2006年9月には、三菱東京UFJ銀行がプロジェクト環境室を設置し、各種のプロジェクト案件の環境や社会への影響などを赤道原則に沿って確認、評価、管理するようになりました。
こうした都市銀行によるグリーン金融に対して地方銀行の取り組みは、地場産業支援が中心となっているため、ISO14001認証の取得支援から、企業などの環境経営の支援に力を入れつつあります。
自治体では、東京都が「環境金融プロジェクト」を立ち上げ、それには商工中金など21の金融機関が参加しています(2009年2月時点)。
また、金融機関向けに環境を加味した第三者による信用格付けモデルの構築も進められています。
融資する際に、財務指標に加えて「環境力」を企業の格付けの指標にしようという試みで、欧米の格付け機関を巻き込んで日本独自の信用格付けの枠組みを作ろうとする動きもあります。

「バックキャスティング」という新しい考えを聞いたけど、それって何?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

「バックキャスティング」とは、複数あり得る未来の中から、自分を含めてみんなにとって「こうありたい未来」「こうあるべき未来」を最初の段階で決めてしまい、それを実現するために今なすべきことを考え、分析し、具体的に実行することです。
スウェーデンの環境NGO(非政府組織)である「ナチュラル・ステップ」の創始者であるカール・ロベール氏が提唱し、地球温暖化などの議論の場に、このバックキャスティングという考え方が持ち込まれています。
バックキャスティングは、現在、起きている様々な事象の延長線上に未来があると考える方法「フォアキャスティング」とは対照的であり、結論ありきで、その結論に至るまでの過程を具体的に実行していくことです。
なお、OECD(経済協力開発機構)が1994年から始めた環境保全型交通体系(ETS)の中で、このバックキャスティングという考え方を使って、運輸部門から排出される2030年の二酸化炭素(CO2)を中心とした地球温暖化ガスの排出許容値を目標値として定め、その目標値を達成するためには何をどのように行うべきかという視点で議論を進めています。
日本でも、バックキャスティングを自社の環境問題に当てはめようとする先進企業も出てきており、まず先に中長期の環境ビジョンを描き、それを踏まえたうえでCO2の排出を削減したり、環境負荷を削減するために「3R」を実行したりするなどの取り組みがなされています。

「バーチャル・ウォーター」って何?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

世界では約11億人もの人間が安全で清潔な飲料水を手に入れられず、約26億人がトイレなど基本的な衛生施設を利用できないなど、一言でいえば「水不足」というのが、現在の地球の状態です。
また、急激な人口増加や地球温暖化によって、世界の水不足はさらに深刻化しています。
例えば、日本は1年間で約2400億立方メートルの水が利用可能で、使用量はそのうち約835億立方メートルと水資源に恵まれているようにみえますが、実は農畜産物の輸入という形で、海外の水に依存しています。
こうした直接目には見えないけれど、背後に大量の水利用がある事実ものも含め、必要とされる水の量をカウントしたのが、「バーチャル・ウォーター」なのです。

バーチャル・ウォーターの専門家である東京大学の沖大幹教授によると、日本のバーチャル・ウォーターの1年間の輸入量は640億立方メートルにのぼり、国内の灌漑用水使用量を上回るということです。
バーチャル・ウォーターの輸入先は、米国が1位で約389億立方メートル、2位のオーストラリアの約89億立方メートル、そして3位はカナダの約49億立方メートルと続きます。
バーチャル・ウォーターが最も使われているのがトウモロコシで、それ以外に牛、大豆、小麦などがあります。

つまり、深刻化している世界の水不足は日本にとって他人事でなく、食料不足などとなって日本に影響をおよぼすこととなり、このことを私たちに分かりやすく示してくれるのが、バーチャル・ウォーターという考え方です。

「環境に優しい」とか、「環境負荷を下げる」とかいうけど・・・?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

環境は、人間が活動していく周りの自然界から与えられた条件であり、かなりの許容量(余裕)を持っていますが、人間の活動が大規模になり、その許容量を超えて影響を与えるような何かを行うと、その反動が必ず生じます。
そして一度環境が破壊されたりすると、それを元の状態に戻すには非常に大変な労力、時間、コストがかるため、環境を維持することが大切なのです。
「環境に優しい」という言葉もテレビなどでよく耳にしますが、正確に補うと、「人間が何らかの活動をしていくときに、自然界に対して何らかの影響を与えるが、その影響度が低い」ということです。
それを環境側から見たときに「環境負荷が低い」となります。
先に触れたように人間社会を取り巻く環境(自然環境)はかなりの許容量をもっていますが、限界があり、それを超えると、様々な問題が一気に顕在化します。
そのような人間の活動は、環境にとって負荷以外のなにものでもありません。
このため「環境負荷が低い」などという言い方をするのです。
人間がより良い社会生活を未来にわたって継続的に続けていくためには、人間社会を取り巻く自然環境に対してできるだけ負荷をかけない方法を模索・実行し、さらには既にかけてしまった環境負荷を下げるような努力を行うことが必要です。

環境関連法令や通知の内容、公布、改正情報について調べたいのですが

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

法令の内容については、総務省の電子政府法令データ提供システムから確認できます。
新しく公布された法令情報については、年月などの範囲指定をおこなうことにより探すことができます。

総務省の電子政府法令データ提供システム 

なお、総務省の法令データベースは対象範囲が憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則ですが、以下の法令データベース提供情報は告示、通達も含んでいます。

   ・環境省   
   ・農林水産省 
   ・厚生労働省 
   ・国土交通省 

また、条例については、環境省地域環境行政支援システム「知恵の環」から確認できます。
環境省地域環境行政支援システム「知恵の環」

環境にかかわる仕事をするにはどうしたらいいですか?

2016/08/21 環境一般 環境Q&A

環境にかかわる仕事と一口にいっても、さまざまなものがあります。
まず、自分の興味の方向性をきちんと把握した上で、どんな仕事があるのか、その仕事に就くために必要なことなどを情報収集することをお勧めします。
最近は、情報収集可能なインターネットサイトが充実してきていますので、方向性が明確になっている場合は有益な情報が探せると思います。

リンク
・環境省 
・外務省国際機関人事センター 
・環境系求人情報BE-JOB 
・環境goo 
・研究者人材データベース 
・環境を守る仕事 なり方ガイド 
・自然・環境にやさしい仕事50-資格・求人・仕事ナビ 
・環境の資格・仕事情報館