土壌汚染対策法で、第5条の調査命令はどのような時に出るの?

最終更新日:2020/10/12

法第5条1項の調査命令は、監督行政庁が「土壌汚染が存在する蓋然性が高い土地」であって、「土壌汚染あるとすれば、人の健康に係る被害が生ずるおそれがある」と判断された場合に「調査の範囲」「調査すべき特定有害物質」「報告の期限」を定めて、命令が行えます。

調査の対象となる土地の基準

具体的には次のパターン等です。
※条件すべて該当した場合、対象となります。

■ パターン1 地下水汚染で、汚染が明らかな場合
条件1 その土地で土壌汚染が判明している。(溶出量基準超過)
条件2 都道府県等の地下水の常時監視で地下水基準を超過している。
 or
都道府県等の地下水の常時監視で濃度が上昇傾向であり、地下水基準の0.9倍程度に達した。
条件3 地下水汚染の周辺に飲用利用等の井戸が存在する。


■ パターン2 地下水汚染で、汚染が疑われる場合
条件1 都道府県等の地下水の常時監視で地下水基準を超過している。
 or
都道府県等の地下水の常時監視で濃度が上昇傾向であり、地下水基準の0.9倍程度に達した。
条件2 地下水汚染の周辺に飲用利用等の井戸が存在する。
条件3 その土地で土壌汚染の存在する蓋然性が高い。
(地下水の流動や、土地の履歴等(届出の履歴等)から判断される。


■ パターン3 直接摂取の観点で、汚染が明らかの場合
条件1 その土地で土壌汚染が判明している。(含有量基準超過)
条件2 人が立ち入ることのできる場所である。
(関係者以外立ち入り禁止制限がある工場や事業場の敷地、火山の火口等の特殊な場所は含まれない。)

■ パターン4 直接摂取の観点で、汚染が疑われる場合
条件1 その土地で土壌汚染の存在する蓋然性が高い。
(隣地で土壌汚染が判明し、かつ隣地と一連の工場の土地である場合や、隣地と連続する土壌汚染が存在することが明白である等)
条件2 人が立ち入ることのできる場所である。
(関係者以外立ち入り禁止制限がある工場や事業場の敷地、火山の火口等の特殊な場所は含まれない。)


ただ単に、有害物質使用特定施設の設置等があったのみの土地の履歴のみで、第5条の調査命令が発せられることはありません。地下水汚染等があり、基準超過や濃度上昇が見られる場合を伴う場合に、対象となります。

また、汚染除去の措置が講じられている土地、鉱山等の敷地については調査対象とはなりません。


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