地球環境


ライン川化学汚染防止条約って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

ライン川化学汚染防止条約とは、1976年に作成された条約でドイツ連邦共和国政府、フランス共和国政府、ルクセンブルク大公国政府、オランダ王国政府、スイス連邦政府およびヨーロッパ経済共同体(当時)が締約国です。
ライン川の化学汚染が同河川の動植物相に対して脅威を与え、また海水に対して望ましくない影響をもたらす事情に鑑み、有害な物質の排出を段階的に削減することにより除去したり、規制したりすることを狙いとしています。
発効されたのは1979年です。

トビリシ勧告って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

トビリシ勧告とは、1977年のトビリシ会議で採択された勧告のことで、環境教育の役割、目的、指導原理、国家レベルでの環境教育開発戦略組織の構造、環境教育の対象となる人々、一般の人々への環境教育、職業人への環境教育、内容と方法、人材の養成、指導・学習教材、情報普及、研究、国際協力と地域協力などの41項目からなります。

環境教育の目標を
 a)都市と農山漁村の経済的、社会的、政治的、生態学的相互依存について、明確な認識を育てること。
 b)環境の保護と改善に必要な知識、価値観、態度、関与、技術を獲得する機会をあらゆる人々に与えること。
 c)環境のために、個人、集団および社会が全体として、新しい行動パターンを創りだすこと。

(勧告2)とし、また環境教育の目的カテゴリーをベオグラード憲章の6項目から、・認識(Awareness)・知識(Knowledge)・態度(Attitudes)・技能(Skills)・参加(Participation)と整理し直しています。これは、国際的な環境教育の枠組みとして位置づけられています。

京都議定書に基づくクレジットって何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

ここで言う京都議定書に基づくクレジトとは、2006年に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく算定割当量(排出権)のことです。
京都議定書で定められた手続により発行され、同議定書の削減目標達成のために用いられます。
クレジットは、温室効果ガスの排出量(排出権)を売買可能な形にしたもので、国際間排出権取引などの京都メカニズムの実施に欠かせない。京都メカニズムに基づくクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトにより発行される認証排出削減量(CER)や、京都議定書における初期割当量(AAU)、吸収源活動による吸収量(RMU)、JIプロジェクトにより発生する排出削減量(ERU)、環境省自主参加型国内排出量取引制度に基づく排出枠などがあります。

京都議定書に基づくクレジットの種類って何?

①割当量単位 Assigned Amount Unit (AAU)
②除去単位 Removal Unit (RMU)
③認証排出削減量 Certified Emission Reduction (CER)
④排出削減単位 Emission Reduction Unit (ERU)

の4種類があります。

京都議定書の遵守という観点からはどのクレジットも同じ効果を有します。

①割当量単位って何?
【英】Assigned Amount Unit
割当量単位とは、各附属書I国の排出抑制・削減約束に応じて発行される初期割当クレジットです。
京都議定書における排出枠(クレジット)の1分類で、地球温暖化防止を図るために、国連気候変動枠組条約の附属書I国それぞれに割り当てられる二酸化炭素に換算した人為的温室効果ガスの削減量です。
基準年排出量と数値目標から算定される初期割当量の一部で、割当量の具体的計算方法などは、マラケシュ合意の中に記載されているます。

なお、クレジットにはAAUの他、RMU(吸収活動に基づくクレジット単位)、ERU(JIの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)、CER(CDMの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)の4分類があり、これらによって国としての総排出枠が決まります。
その内訳は、「国別の初期の割当量(AAU)」+「吸収量(RMU)」+「排出量取引による排出枠の取得・移転分」±「JIおよびCDMで発行されたクレジットの取得分(ERU、CER)」 となります。

②除去単位って何?
【英】Removal Unit
RMUとは、吸収活動に基づくクレジット単位で、京都議定書に基づく温室効果ガスの排出量取引で取得・移転が行える排出枠(クレジット)のひとつで、議定書第3条第3項、第4項(植林、再植林)に基づく吸収源活動による附属書I国(先進国および経済移行国)のネットの吸収量です。
日本語訳として「除去単位」などといわれることもあります。
最小取引単位数は1t-CO2です。

なお、同議定書で規定する排出枠(クレジット)には、この他にAAU(初期割当量)、ERU(JIの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)、CER(CDMの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)があり、これらによって「国としての総排出枠」が決まります。その内訳は「割当量単位(AAU)」+「吸収量(RMU)」+「排出量取引による排出枠(AAU、ERU、CER、RMU)の取得・移転分」±「JIおよびCDMで発行されたクレジットの取得分(ERU、CER)」となります。
京都議定書第 3 条 3 及び 4 に基づき、各附属書Ⅰ締約国が、新規植林、再植林、及び吸収源に関連した純吸収量から算定し、発行するものです。

③認証排出削減量って何?
【英】Certified Emission Reduction
認証排出削減量とは、京都議定書第 12 条 3(b)に基づき、低排出型の開発の制度(クリーン開発メカニズム) による事業活動により発行されるものです。
当該制度の活用により削減された温 室効果ガスの排出量又は増加した除去量が気候変動枠組条約事務局の CDM 理事 会で認証されることにより発行されます。

④排出削減単位って何?
【英】Emission Reduction Unit
京都議定書第 6 条 1 に基づき、同条で規定する事業(共同実施事業)により発行されるものです。
共同実施事業のホスト国である附属書Ⅰ締約国が、当該国の有するAAU 又は RMUを変換することで発行されるものです。


クレジットは、それ自体は保有者にとって何も利用価値がなく、附属書Ⅰ締約国がその義務の履行のために将来買い上げてくれるという期待をもってのみ価格がついているものです。
京都議定書が2005年2月に発効したことにより、その期待が高まっています。

なお、 日本政府は、2005年 4月に閣議決定された京都議定書目標達成計画において、京都議定書の 第一約束期間(2008~2012 年)中に約 1 億トン CO2 分のクレジットを
調達することとされており、日本国内においても、各法人が日本政府を大きな需要先 と考え、クレジットの取引を活発化させています。

ベルリンマンデート・アドホックグループって?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

ベルリンマンデート・アドホックグループ(AGBM)とは、マンデートは「指令」「決定」、アドホックは「特別の」の意味で、ベルリンマンデートというCOP1の決定文書に基づいて、特別に設置された検討会議のことで、NGOなどの参加も認められました。
ベルリンマンデートは、1995年ベルリンで開催された第1回気候変動枠組条約締結国会議(COP1)での、先進国の温室効果ガス排出量の数値目標の設定とその達成のために各国が取る政策、措置を規定するための議定書(京都議定書)などを第3回締約国会議(COP3)において採択するとしており、これを受け、ベルリン・マンデートアドホックグループ(AGBM)が設置され、第3回締約国会議(COP3)までに議定書の性格、位置付けをまとめる新しいプロセスが始まりました。
AGBMは、1995年8月から合計8回(第8回再開会合を含めると全部で9回)の会合を開催し、「議定書は法的拘束力のある数値目標をもつものとする」という閣僚宣言をまとめ、これは、ベルリン・マンデートのプロセスに刻まれた重要な一歩となりました。

東アジア大気行動ネットワークって何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

東アジア大気行動ネットワークとは、東アジア7カ国・地域(日本・韓国・中国・台湾・香港・モンゴル・ロシア)の17団体の環境NGOによって組織された、東アジア唯一の環境問題に関する民間レベルのネットワークです。
1995年、地球環境基金の助成を受け、韓国のソウルで設立。
日本からは、市民フォーラム2001をはじめ、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)、全国公害患者と家族の会、市民による大気汚染測定ネットワーク、酸性雨調査研究会、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の6団体が加盟している。事務局は韓国の「環境正義市民連携」が担当しています。

目的は、
1)環境問題の市民への関心を高めること。
2)アジア、特に中国のNGOを育てること。
3)政府に政策変更を迫ることです。

具体的には、東アジア地域の越境性大気汚染・酸性雨のモニタリングシステムを構築し、現状の把握や対策の樹立をはかっています。
気候変動問題に対しても、その対策に向けて政府・行政に圧力をかけています。
現在は、大気問題のみ対応していますが、今後、水質汚染、ゴミ問題なども含む東アジアの環境問題全般や、関連する社会問題への対応まで広がる可能性があります。

アジア太平洋地球変動研究ネットワークって何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

アジア太平洋地球変動研究ネットワークとは、アジア太平洋地域における地球変動研究を推進し、科学研究と政策決定の連携を促進することを目的とする政府間
ネットワークのことで、Asia-Pacific Network for Global Change Researchを略称してAPNともいいます。
加盟国は、オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー諸島、インド、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、韓国、ロシア、スリランカ、タイ、米国、ベトナムの21ヶ国で、事務局が神戸市に設置されています。

地球環境研究の推進には、世界的な協力が必要であり、学術レベルではIGBP等の国際協同研究プロジェクトが実施されており、これらを支援する政府レベルの取組
みとして、南北アメリカ(全アメリカ地球変動研究機関、Inter-American Institute for Global Change Research:IAI)、欧州・アフリカ(地球変動研究のためのヨーロッパネットワーク、European Network for Research in Global Change:ENRICH)、アジア太平洋(APN)の3大地域ごとに、政府間ネットワークが設置されています。

日本は、APNの事務局を環境庁(当時)において引き受けており、具体的な活動を関係各国及び国際機関と協力して支援してきています。
1997年3月には第2回政府間会合が開催され、地球環境変化の人間社会的側面研究への支援活動を含む科学的活動について各国の意見が一致するとともに、支援すべき科学的活動選定手順等についても検討されました。

アジア太平洋環境イノベーション戦略プロジェクトって何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

アジア太平洋環境イノベーション戦略プロジェクトとは、エコアジアの傘下で1993年から2001年まで実施されたエコアジア長期展望プロジェクト(LTPP)を引き継いだプロジェクトのことです。
目的は、アジア太平洋地域の持続可能な発展に向けた意思決定を支援するために、環境と開発に関する科学的基盤を整備し、これに基づく革新的政策オプションを提供することです。
具体的な活動は、
1)衛星と地上からのモニタリング(IEM)
2)環境・経済統合モデルによる政策評価(IEA)
3)革新的・戦略的オプション研究(RISPO)
の3つの構成要素からなっています。
このうち、日本の財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が革新を担当し、「戦略的政策オプション」と「優良事例インベントリー」の 提示・作成を目指しています。

TBT条約って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

TBT条約とは、TBT(トリブチルスズ)等を含む有機スズ系船舶用塗料は、海洋生物へ悪影響を与えるといわれています。
そこで、国際海事機関(IMO)によるTBT船底塗料禁止条約が2001年10月5日採択されました。
本条約では、
(1)2003年1月1日以降は、TBT船舶用塗料の新たな塗布を禁止。
(2)2008年1月1日以降は、既に塗布されているTBT船舶用塗料を船体から完全除去するか、同塗料が海水へ溶出しないよう塗膜を塗布することとなりました。
本条約は、25カ国以上が批准し、かつそれらの国の商船トン数の合計が世界の商船総トン数の25%以上となった日から12ヶ月後に発効します。
なお、日本国内では、TBT塗料・TPT塗料の製造・使用が諸外国に較べても早い時期に停止されていました。
そうした背景のもと、TBT条約の採択について日本などが提案し、条約採択のための国際会議が開催されることになったという経緯があります。

小島嶼国連合って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

小島嶼国連合とは、太平洋・インド洋・大西洋上の43の島嶼国からなる国家連合です。
その中には国土で最も標高が高い場所でも海抜2メートルしかない低地国もあります。
これらの国々は気候変動インパクト、とりわけ海面上昇など地球温暖化の影響にもっとも脆弱であり、中には国家としての存亡の危機に直面する国もあります。
そのため温暖化対策強化をもっとも強く訴えており、国際交渉の場では二酸化炭素排出量の削減と森林伐採の中止に対する早期対策と適応措置への支援を要求しています。

AIA手続きって何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

AIA手続きとは、遺伝子組み換え生物等(LMO/GMO)の輸出入に際して、輸入国が事前に環境リスク評価を行って輸入可否を判断する仕組みです。
生物多様性条約に基づいて作成されたカルタヘナ議定書によって、LMOを輸出する場合には相手国に事前通告をして同意を得ることになっています。
LMO輸出国(または輸出者)の事前通告を受けた輸入国は、リスク評価を実施して通告後270日以内に輸入の可否について回答することとなっています。
カルタヘナ議定書の成立に際しては、このAIA手続きの対象となるLMOの範囲をめぐって、米国・輸出国グループとEU・途上国グループの間で激しい論戦がありました

IPCC第5次評価報告書って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

IPCC第5次評価報告書とは、気候変動に関するIPCCの最新の科学的知見をまとめた5回目の報告書です。
2013年9月から2014年4月までに第一部会(自然科学的根拠)から第三部会(気候変動の緩和策)まで個別の報告書が逐次出され、2014年11月に最後の統合報告書が出されました。
気候システムに対する人間の影響は明瞭であり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上最高となっていること、1950年以降、多くの極端な気候及び気候現象の変化が観測されてきたこと、温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候システムすべての要素に長期にわたる変化をもたらし、それにより人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる可能性が高まること、気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ持続的に削減する必要があり、排出削減と適応を合わせて実施することによって、気候変動のリスクが抑制されることとなること等が指摘されました。
第三部会では、2100年の二酸化炭素換算濃度別にRCPシナリオも含めた8つのシナリオについて評価が行われています。
ベースラインシナリオでは、2100年の二酸化炭素換算濃度が720ppmから1000ppm以上とされ、この場合は気温上昇が、1850年から1900年平均比で4℃未満に留まる可能性がどちらかといえば低いと評価されました。
また、2℃未満に留まるためには、2050年で2010年比42%~57%減、2100年で73%~107%の排出減が必要であるとされました。

数量的排出制限及び削減目標って何?

2016/08/21 地球環境 環境Q&A

数量的排出制限及び削減目標とは、京都議定書で定められた削減目標とその国別割当量のことをいいます。
京都議定書では、附属書I締約国全体で、CO2、CH4、N2Oの3ガスについては基準年を1990年とし、HFC、PFC、SF6の3ガスについては基準年を1995年として、二酸化炭素換算での総排出量を少なくとも5%削減(附属書I国全体で5.2%削減、対策をとらなかった場合と比べて約30%の削減)すること及び各国は別途定められた割当量を超過しないことを(例えば日本は-6%、米国は-7%、EUは-8%)定めています。