京都議定書に基づくクレジットって何?
ここで言う京都議定書に基づくクレジトとは、2006年に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく算定割当量(排出権)のことです。
京都議定書で定められた手続により発行され、同議定書の削減目標達成のために用いられます。
クレジットは、温室効果ガスの排出量(排出権)を売買可能な形にしたもので、国際間排出権取引などの京都メカニズムの実施に欠かせない。京都メカニズムに基づくクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトにより発行される認証排出削減量(CER)や、京都議定書における初期割当量(AAU)、吸収源活動による吸収量(RMU)、JIプロジェクトにより発生する排出削減量(ERU)、環境省自主参加型国内排出量取引制度に基づく排出枠などがあります。
京都議定書に基づくクレジットの種類って何?
①割当量単位 Assigned Amount Unit (AAU)
②除去単位 Removal Unit (RMU)
③認証排出削減量 Certified Emission Reduction (CER)
④排出削減単位 Emission Reduction Unit (ERU)
の4種類があります。
京都議定書の遵守という観点からはどのクレジットも同じ効果を有します。
①割当量単位って何?
【英】Assigned Amount Unit
割当量単位とは、各附属書I国の排出抑制・削減約束に応じて発行される初期割当クレジットです。
京都議定書における排出枠(クレジット)の1分類で、地球温暖化防止を図るために、国連気候変動枠組条約の附属書I国それぞれに割り当てられる二酸化炭素に換算した人為的温室効果ガスの削減量です。
基準年排出量と数値目標から算定される初期割当量の一部で、割当量の具体的計算方法などは、マラケシュ合意の中に記載されているます。
なお、クレジットにはAAUの他、RMU(吸収活動に基づくクレジット単位)、ERU(JIの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)、CER(CDMの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)の4分類があり、これらによって国としての総排出枠が決まります。
その内訳は、「国別の初期の割当量(AAU)」+「吸収量(RMU)」+「排出量取引による排出枠の取得・移転分」±「JIおよびCDMで発行されたクレジットの取得分(ERU、CER)」 となります。
②除去単位って何?
【英】Removal Unit
RMUとは、吸収活動に基づくクレジット単位で、京都議定書に基づく温室効果ガスの排出量取引で取得・移転が行える排出枠(クレジット)のひとつで、議定書第3条第3項、第4項(植林、再植林)に基づく吸収源活動による附属書I国(先進国および経済移行国)のネットの吸収量です。
日本語訳として「除去単位」などといわれることもあります。
最小取引単位数は1t-CO2です。
なお、同議定書で規定する排出枠(クレジット)には、この他にAAU(初期割当量)、ERU(JIの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)、CER(CDMの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)があり、これらによって「国としての総排出枠」が決まります。その内訳は「割当量単位(AAU)」+「吸収量(RMU)」+「排出量取引による排出枠(AAU、ERU、CER、RMU)の取得・移転分」±「JIおよびCDMで発行されたクレジットの取得分(ERU、CER)」となります。
京都議定書第 3 条 3 及び 4 に基づき、各附属書Ⅰ締約国が、新規植林、再植林、及び吸収源に関連した純吸収量から算定し、発行するものです。
③認証排出削減量って何?
【英】Certified Emission Reduction
認証排出削減量とは、京都議定書第 12 条 3(b)に基づき、低排出型の開発の制度(クリーン開発メカニズム) による事業活動により発行されるものです。
当該制度の活用により削減された温 室効果ガスの排出量又は増加した除去量が気候変動枠組条約事務局の CDM 理事 会で認証されることにより発行されます。
④排出削減単位って何?
【英】Emission Reduction Unit
京都議定書第 6 条 1 に基づき、同条で規定する事業(共同実施事業)により発行されるものです。
共同実施事業のホスト国である附属書Ⅰ締約国が、当該国の有するAAU 又は RMUを変換することで発行されるものです。
クレジットは、それ自体は保有者にとって何も利用価値がなく、附属書Ⅰ締約国がその義務の履行のために将来買い上げてくれるという期待をもってのみ価格がついているものです。
京都議定書が2005年2月に発効したことにより、その期待が高まっています。
なお、 日本政府は、2005年 4月に閣議決定された京都議定書目標達成計画において、京都議定書の 第一約束期間(2008~2012 年)中に約 1 億トン CO2 分のクレジットを
調達することとされており、日本国内においても、各法人が日本政府を大きな需要先 と考え、クレジットの取引を活発化させています。