同じ分析でも「計量証明書」と「分析結果報告書」があるのはなぜ?
環境分析を依頼した際、「今回は計量証明書だったけれど、別の分析では分析結果報告書だった」という経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。これは、分析の精度や信頼性に違いがあるためではありません。測定する目的や、どの制度に基づいて結果を報告するのかによって、発行する書類が異なるためです。
当社では、法令への対応や行政への提出など、測定結果を正式な証明として利用するための測定について、「計量証明書」を発行します。
一方、品質管理・工程管理・設備管理などを目的とした分析や、他の法律・制度に基づいて実施する検査については、「分析結果報告書」などにより結果をご報告します。

水の分析の場合
排水中の有害物質濃度を証明したい ➡ 「計量証明書」を発行します
工場などから排出される排水について、含まれる物質の濃度を測定し、その結果を証明する場合です。
例えば、鉛、六価クロム、ふっ素、砒素、CODなどの測定は、環境計量証明事業として実施し、計量証明書を発行します。行政への報告や、排水管理の確認などに利用されます。
工程水や設備用水の状態を確認したい ➡ 「分析結果報告書」を発行します
工場内で使用している水について、製造工程の管理や設備の維持管理を目的として分析する場合です。
例えば、製造工程で使用する工程水の成分確認、ボイラー用水の管理、冷却水の水質確認、設備トラブル防止のための水質確認などがあります。
これらは、お客様の自主的な管理を目的とした分析であり、分析結果報告書として結果をご報告します。
大気の分析の場合
排ガス中の物質濃度を証明したい ➡ 「計量証明書」を発行します
工場や事業場から排出される排ガスについて、含まれる物質の濃度を測定し、その結果を証明する場合です。
例えば、窒素酸化物(Nox)、硫黄酸化物(Sox)、塩化水素、ばいじんなどの測定は、環境計量証明事業として実施します。
製造工程や設備の状態を確認したい ➡ 「分析結果報告書」を発行します
製造設備や燃焼設備の運転管理などを目的として、ガス成分を確認する場合です。
例えば、燃焼状態の確認、設備調整のためのガス分析、製造工程で発生するガス成分の確認などがあります。
これらは工程管理や設備管理を目的とした分析であり、分析結果報告書としてご報告します。
土壌の分析の場合
土壌中の有害物質濃度を証明したい ➡ 「計量証明書」を発行します
土地の売買、開発、土壌汚染調査などを目的として、土壌中の有害物質濃度を測定する場合です。
例えば、鉛、砒素、カドミウム、六価クロム、水銀などの分析結果を証明します。
原料や材料の成分を確認したい ➡ 「分析結果報告書」を発行します
製造や品質管理を目的として、材料や原料などの成分を確認する場合です。
例えば、原材料の成分確認、製品や副産物の分析、製造工程で使用する材料の確認などがあります。
騒音・振動測定の場合
騒音や振動の大きさを証明したい ➡ 「計量証明書」を発行します
騒音・振動は、環境計量証明事業の対象となる測定項目です。
例えば、工場から発生する騒音、建設工事による騒音・振動、事業場周辺の騒音・振動などについて、測定結果を証明する場合は計量証明書を発行します。
「計量証明書」と「分析結果報告書」の違い
| 目的 | 発行する書類 |
|---|---|
| 計量法に基づく環境計量証明として、測定結果を証明する場合 | 計量証明書 |
| 品質管理・工程管理・設備管理などを目的とした分析 | 分析結果報告書 |
| 水道法、労働安全衛生法など、他の法律・制度に基づく検査 | 各制度に応じた報告書 |
同じ「水」「大気」「土壌」の分析でも、何を目的として測定するかによって発行する書類が変わることがあります。

ご依頼時に迷われた場合はご相談ください。
「計量証明書が必要なのか」「分析結果報告書でよいのか」
判断が難しい場合でも、測定の目的や用途を確認したうえで、適切な測定方法と報告書をご案内いたします。
お客様の環境管理、品質管理、法令対応をサポートするため、当社では目的に応じた測定・分析サービスを提供しています。



